「香港クレージー作戦」
クレージーシリーズ第三作 クレージー初の海外ロケ映画
この映画が公開された昭和38年はクレージー人気が沸騰しまさにクレージー時代と
いっていいほどの活躍ぶりでした。TV、舞台、映画、地方公演、今の芸能界では
考えられないほどの忙しさであったそうです。
この映画公開翌年の昭和39年には植木さんは殺人的スケジュールのため
過労で倒れてしまいます。
こういった背景を踏まえて観ると映画の初頭、第百商事でのシーンは
いつもの植木さんとちょっと違うかなと感じてしまいます。
とはいえ直後の喫茶店での電話の件りでは例の植木笑いはいつも通り、
見ている方も吹き出してしまいます。
物語は植木さん扮する営業マンが馴染みの横丁の店主たちと香港に渡り
レストランを開店するが宣伝で行ったチンドン屋演奏が評判になりクラブで
ショーを開催…と
クレージー映画らしいハチャメチャが楽しめます。
特筆すべきはやはりクレージーの演奏シーンですね。
3パターンの演奏シーンがあってどれも好きですが特に僕が好んだのは
中尾ミエさんのリードボーカルにクレージーがバック演奏する
「おんなのこだもん」です。リズムにのせて体を揺らして演奏するクレージーと
中尾さんの明るい歌声がマッチしてとても楽しい気分になります。
その後は伝説の谷啓さん構成のリパブリック賛歌のギャグ演奏があります。
パンツの上げおろしやダイナマイトをサックスに投げ込んだり、最初に見た時は
笑いよりもあぜんとしてしまった記憶があります。
かつてのギャグ演奏の第1人者、スパイクジョーンズの影響をうけた谷啓さんの
独特の感性のギャグ演奏は天下一品ものです。
このあと封切られたクレージー映画の中では多くの演奏シーンが入ることになり
ほぼ谷啓さんが構成してます。
女優陣では淡路恵子さんの色気あふれる演技や浜美枝さんのキュートな部分を
もっと見たかったなと思いました。
演奏シーンにつきるといった作品ですが、30年代の雰囲気を十分楽しめます。
*ナイショ話
ハナさん扮する八ちゃんの飲み屋で植木さんがビールを注がれて飲むシーンが
ありますが植木さんは下戸です。コップはカウンターに隠れて見えない形になってます。
注がれたビールは飲まずに置いていざ飲むときは事前に用意されていたお茶らしきものを
飲んでます。コップを手にする位置が微妙に違うのでよく見ているとわかりますよ。
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